僕はたまたま学校にいたのだけれど、テロリスト達はそれにカモフラージュして潜入したらしい。ぼくは気づいて清掃員に化けることにした。食堂にいた休養中の清掃員から、水色のポロシャツと水色の帽子を借用し、バックパックに入れていた彼らの制服に似たベージュのスラックスを履けば、それらしくみえるはず。いまは僕しか潜入することはできない。
トイレの中で見つからないように着替える。数度、敵から見つかりそうになるが隠れ果せる。身支度をしたら、そこかしこから集めた三本のナイフをポケットに隠して、外に出る。スイスアーミーだから、戦闘には向かないが、ないよりはよい。
まずは生徒たちを一斉に外に出す。子どもたちはなんのことかわかってないだろうが、それでいい。テロリスト達もことの露見を恐れて手を出さないだろう。出入り口の近くにナイフを一本隠す。いつかの時のために。
教員たちは、僕のことを知っている。でも、テロリストは僕のことを知らない。僕は教員たちの集められた部屋へ入ることができた。テロリスト達は、ぼくの仲間に電話をかけさせている。僕は見つからないように、中を眺めてからドアの陰に隠れて聞き耳を立てる。彼らはいくつかの計画を持っているようだ。ぼくはそれを頭に入れて、次の動きを考える。
教師二人と僕は集められ、事をするように指示される。一人はテロリストといっしょに行き、僕ともう一人の教員は別のことを指示される。やっと二人になれたので、彼らの思惑を思案する。そのうち、その教師の子息が海外にいて、テロリストはその子息にも手を伸ばそうとしていることがわかる。
教師は頭を抱える。僕はさっきの電話の中身とそのことをあわせて考えて、大事だと気づく。教師には彼らの意図を話し、子息は安全であること、外でこのことが明らかになれば大丈夫だと勇気づける。
最近のコメント