音楽は好きだ。でも苦手だ。だから、楽器を奏でる人がうらやましいといつも思う。
まず音符がダメだ。読めない。パッと見てどの音かなんてわからん。いつもドからはじめて、一つ一つ数える。そしてカタカナでふりがなする。でも基本は耳でメロディーを聞いて暗譜する。
あと「しぶおんぷ」だとか「いっぱく」だとかもわからん。なんでその長さになるのか、ちんぷんかんぷんだ。もちろん2秒とか1秒半とかいう表現が、ちっとも適切でないこともわかる。でもダメだ。
つぎに指使いがダメだ。ピアノもクラリネットも指が追いつかない。途中で縺れてしまうし、楽譜を読みながらなんてもってのほかだ。あっちが縺れる 間に、こっちがわからなくなり、どっちもダメになる。もちろん、逆にこっちがわからなくなったら、あっちも縺れる。やっぱりダメだ。
心理学では、メロディーの知覚を「ゲシュタルト」知覚と言ったりする。メロディーの「全体の」知覚に、メロディーがメロディーたる価値があると言えるからだとおもう。
一方、「部分の」音(符)をつなげることが、楽譜を読むことだったり楽器を奏でることなんだと思う。
僕はメロディーが好きだし、メロディーを諳んじることも、メロディーから楽器を奏でることも(すこしは)できるのに、音符を一つ一つ読むことも音符から楽器を奏でることもほとんどできないのが、ちょっと悔しい。
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