その日は特別に昔走っていた列車がセレモニーとして走る日で、僕らもそれに参加していた。
昔の電車はそれは狭くて、50cm四方の箱を連ねてその中に一人一人が入っていた。僕らは、おのおの箱を持ち寄ってその中に入って行くのだけれど、ぼくの箱はクリスマス用品の入っていた箱で、少々やわくなっている。角が少しけば立っていたり、ちょっと心配な箱。
膝を抱えてじっとしている他ないな、そのうち寝てしまうかななどと思いながらホームで電車を待つ。列車が来たら箱を据えて、自分がそこに入る。うまいこと箱を閉められればいいけれど、ダメだったら、ホームの人に声をかけなければ行けない。
ふと箱を置くことは大丈夫だけれど、車輪がないからレールの上にどう置くのかが心配になる。周囲の人に聞いても答えてはくれない。そのうち、現行の電車の中でもっともちいさな電車がホームに滑り込んでくる。この電車はアルミっぽい外装にサイドにみどり色のラインが引いてあって、1車両に二人が横になって座るといっぱいになってしまう。前橋行きと描いてあるその電車にどうやら乗ることになるらしい。
コメント