仕事をすること

最近自分の臨床や研究のことなど考えることが多いのだが、
村上龍のインタビュー記事を読んで、思わず膝を打った。

「人生を支えるのは仕事」　村上龍が語る仕事—４

「　つまり、本当に好きな仕事、向いている仕事というのはそういうもので、集中力が持続する、その対象がはっきりあるということです。　」
今の自分を考えると、臨床や研究が向いているかと思う時、確かに面倒で辛いけれど、それに飽きることはほぼない。友人と会って話をしても、このことばかり話しているような気がするし、第一この日記だってそんなネタばかりだ（ゴメンナサイ）

「　しかしそうは言っても、特に若い人は無力感にさいなまれることも多いでしょう。若いということは無力とほとんど同義語です。自分は無力だと認めてそこから出発すればいいのですが、無能だと卑下するのは間違っています。 」
ナラティブ・アプローチの勉強会で問題を「外在化」させる手続きが紹介されたが、その時思いだしたのがこの一文だった。
自分が一年間臨床を経て、ずーっと思い続けてきたのは、自分がいかに無力かということだった。同期と並んでも（相対的に）「無能」であるとは思わ なかったけれど、その自分の「無力さ」とのギャップは大きく、きっと自分はやはり能力がない人間なのだと思うこともしばしばあった。そして、友人のそれを 否定する言葉はかえって自分を居心地の悪いものにした。

自分が「無力」であることは確かなこと。
もう一度、そこに立ち戻ってみたいと思う。