KのおせわになっているT先生のお宅に居候することになった。すでにKは一室を借りているようなのだ。
車でそこへ向かう途中、車内でうちのゼミのJも思いついたように、わたしも居候すると、宣言しだす。でも、先生に許しを得ていないし、いきなり居たら、きっと先生はびっくりするだろうと、とりあえずなだめる。
途中、スーパーによって今夜の食事の買い物をすることになる。パッと買って、行くつもりだから、スーパーに横づけして、鍵もかけずにいく。とりあえず野菜類を一通り。ぼくは果物も欲しかったのだけれど、みかんはかさばるし、みんなで食べられるものがなかったので、断念。また思いついたようにJが、お惣菜を買うと言いだす。たしかこのスーパーには、充実した惣菜コーナーがあったのだが、そのあたりに行ってみるとすでになく、あえなく断念。
レジをすますと、調度よい時間のバスが出ていたので、みんなで乗り込む。
しばらく進んだところで、自分たちは車で着ていたことに気づく。しかたないので、ぼくだけスーパーに戻るとあったはずのところに、すでに車がない。
スーパーの係りに下手に出ながら聞いてみると、駐車場の片隅に車が止まっているのが、見えた。すると、こわもての警備員が現れ、ぼくが車どろぼうではないかと、嫌疑をかける。
日頃の臨床のワザを使って、精一杯に笑顔でむこうに調子をあわせて話していると、ますます怪しいと疑われる。
しばらくの押し問答のすえ、ぼくが過去に同じようにこのスーパーに車を忘れて行ったことをぼくと警備員が思い出す。あーあの時のと意気投合して、そういえば、以前も同じワインフェアの頃でしたねと笑い合う。
ぼくはそのとき、ワインを試飲していい心持ちになって帰ったあとに戻って来たのだが、飲酒運転になるんじゃないかと、びくびくしながら帰ったことを思い出す。
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