僕は火星に不時着した。不時着した町は廃虚のような町で全体的に薄暗くまるで夜のようだった。
おなじ船に乗っていた連中はみな混乱し、僕はマスクをつけながら、過呼吸寸前になりながら、浅く空気をすった。自分を落ち着けるためにも首から下げていた小さなサイリュウムを折った。黄色い光がゴーグル越しに見えて、すこしだけ落ち着く。すると、うしろから隊長が隣町まで移動すると号令をかけた。
隊列を組んで、隣町まで移動する。薄暗い道を移動する最中、僕はせめて地球にいる人たちの声を一言でいいから聞きたいと感じて、胸が詰まった。
隣町に着くと人ごみが現れ、僕らの隊列はうつむきがちにそこを葬列のように進んでいく。司令部からお偉いさんが現れ、僕らを中に案内する。
ガラスでできた壮麗な建物は、一人ひとりがカプセルのようなものには行って移動する。上から一つ一つ順にカプセルがおりてきて中に入るのだか、僕はうまく調子が合わず四苦八苦する。中に入ってそこから世界を眺めると、青い空が見えて僕は感嘆の声を上げる。
コメント