僕らは狭いアパートに住んでいるのだが、僕は薄暗い街角を通り抜けて、これまた狭くて古くさいエレベータに乗って部屋に向う。
エレベータに乗ったところで、女性が飛び込んできた。ぼくは咄嗟に背中を向けてやり過ごす。この人とはいろいろ昔の因縁があって、顔をあわせたくないのだ。
駆け込むように部屋に入ると、二段ベットの双子のところへ行く。上の段にぐちゃぐちゃの布団のなかで、もつれるようにして寝ている。二人を見守っていたひとにエレベータの顛末を話していると、双子が起き出してきた。
僕は双子のおでこに手をあてて、まだ熱があるから寝ていなさいという。寝るのに飽きてしまった双子の一人は、笑顔で僕に絡んでくる。もう一人はまだ少し具合が悪そうだ。ぼくは、二人と一人に声をかけて、もうでて行かなければならない。
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