田舎に家族で帰り、広場でなにか書類を出している。これを出すと何かが認められるらしい。簡単な質問が20ぐらい並んでいるが、ざっくりと書いて出したから、いろいろ不手際があって指摘されて再提出。提出される側は丁寧に説明してくれるのだけれど、自分の中では大したものではないから、ピンとこない。 車で田舎の実家にむかう。
新しくなった実家から東京へ帰る。廊下や玄関がきれいになっている。近くの家でビフォーアフターやってるらしいよなどと話す。玄関先であわただしく挨拶などをして外に出る。
駅についてこれから新幹線に乗る。乗る前に
荷物の検査を受けなければならない。
駅の掲示に都心の駅名が並んでいて、ここもずいぶんと近くなったのだなと感じる。仕事で通っているマイナーな駅名までが踊っている。
家族で談笑しながら、チェックを受ける。ぼくのバックパックは大きいので、出てくるのが遅い。
父母は手提げの荷物を持って先に行き、ぼくは出口で警備の女性をちゃかしながら待つ。色黒の大柄な女性で、この仕事長いのとか聞いている。
するとメガネをかけたやさしげな女性の警備員から、申し訳なさそうに荷物は返せないと言われる。
それは僕が以前窃盗を犯したからだと言う。ふと半年ほど昔の出来事がよみがえる。たしかにぼくがぼんやりとしていて誤って持ってきてしまったものを後から咎められて、そんなことになったことはあった。けれど、きちんと処理がされ、示談になっていたはずだった。
荷物は警備員によって別の場所に運び去られる。
ぼくは柵の向こうから叫ぶ。どうしてだめなんですか!一度でも罪を犯したら、もう取り戻せないのですか!きちんと償ったとしても、それでも誹りを受けるのですか!駅のホールに響き渡るような大声で、声を嗄らしながら叫ぶ。響いた声に反応して、他の客もこちらをみている。
係の人はとても困った顔つきでぼくをみるが何も出来ない。ぼくは独り取り残された気持ちと悲しい気持ちでいっぱいになる。
コメント