ぼくは新しい物件を探して歩いているのだけれど、一件のアパートにたどり着く。
そのアパートの住民は比較的若く、みな何か社会活動のようなものをしながら生活しているらしい。家主から部屋の中を見せてもらうと、土間のようになった倉庫と一続きになっていて、一見するとみなで共同生活しているような印象。しばらくすると住人が現れて、前に住んでいた女性のことについて話し出す。なんでも、大変な夢を抱いて、みなの役に立つように生活されていたのだけれど、自分の身体を悪くして亡くなったとのことだった。家財道具が微妙に残されていて、それらには生活の余韻が感じられる。ぼくはうなづきながら話を聴き、ここには熱い人が多いんだなと黙ってうなづいている。
奥の土間は使えるのですかと言うと、そのうちこの荷物もどかされるから、使えますよと家主。あのスペースまで使えてこの値段なら、ずいぶんとお得だなと考え出す。
コメント